事例紹介[お客様の声] CASE STUDY
日々のテストでも統計資料が出るのは大きなメリット
城北中学校・高等学校
2025/04
2018年春の入学試験の採点でデジタル採点システム「YouMark」をご導入いただき、2024年から定期テストの採点に「YouMark Personal」を導入いただきました。入試を通してデジタル採点の利便性をご理解いただいている上で、システム導入を慎重に検討された経緯と、導入後の状況について、校長の清水団先生にお話を伺いました。
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「定期テストでもYouMarkを使いたい」という声
2018年度の入試でYouMarkを導入していただいてから8年経ちました。その後、入試のご状況はいかがでしょうか。
清水校長 もともと入試で導入した理由としては、先生方の負担軽減というのがあって。入試当日の夜に合格発表なので、色々なものが先生方の負担になっていました。デジタル採点は規模の大きいところしか導入できないと思っていましたが、YouMarkならうちの学校の規模感でも大丈夫だろうと思って導入しました。
効率化はもちろんのこと、手採点したものを取り込んで点数入力をしたり、大きな画面に漢字の解答を映して議論しながら採点をしたり、教科がやりたいことが実現できていてありがたいです。
入試でYouMarkに触れていて、先生方がデジタル採点はどんなものかを分かっている中でも、慎重に導入の検討をされていた印象があります。どの辺りが課題になっていましたか?
清水校長 うちはテストの量が多くて、コスト面でどうなのかなというのが1つ。そして、入試とは違い生徒に答案を返却しますので、その返却方法に関する懸念もありました。スキャンして採点した答案を印刷して返却となると、紙の消費量が2倍になるなとか、複合機の利用枚数も増えてしまうなとか、色々気がかりなことがあって。デジタル採点をするならデジタルで返却できないと都合が悪いなと思っていました。
Web返却機能が大きな決め手になった
清水校長 そんな中、2023 年あたりから、急速に「定期テストでもYouMarkを使えないか」という声があがるようになりまして。採点業務、やっぱり大変なんですよね。改めて一部の教科で検証を始めました。
YouMark Personal の導入を本格的に検討していた段階で、Google Classroom もClassi も連携機能ができていて、デジタルで返却ができるようになったんだと。それで2024 年から学校全体で導入することになりました。学年によっては、採点結果を印刷して返すこともあります。どちらも選べるようになったから、自由度が高くていいですよね。
先生がおひとりで設定から採点までやれるかは心配だったので、最初は設定の研修会を行いました。
全教科の全部のテストでやらないといけないということではなく、必要に応じて使いましょうというスタンスでいます。学校によっては導入率を気にされるところもあるかと思うのですが、やりたくないのにやる時にあまり良いことは起こらないので。教科が主体的に決められる形がよいと考えています。
Web返却を導入した学校からは、返却ミスがなくなった、時間短縮につながったというお声を頂戴しています。
清水校長 それは間違いなくありますね。試験の時は出席番号順に並んでいるけど、試験が終わるとばらばらの席に戻ってしまうので、返却も一苦労ですよね。
「採点済の答案を前に並べておくから取りに来て」というやり方もありますが、「先生それはやめてください」と生徒から指摘される可能性もあるので。

日々のテストでも統計資料が出るのは大きなメリット
清水校長 YouMark Personal を本格的に導入して驚いたのは、統計的な資料(クラス別集計表・個人成績票)が出力できたことです。
生徒にとっても教員にとっても有意義で、日々のテストの中で細かく分析して指導にフィードバックできるのは大きいと思います。定期テストを手採点して統計資料を作ろうと思ったら、集計するだけで嫌になっちゃう。それが簡単にできるのはデジタル採点の長所ですよね。個人成績票は生徒にも渡しています。

個人成績票を見た生徒さんの反応はどうでしたか?
清水校長 盛り上がっていたと思います。「みんなは解けていない問題が自分はできていたぞ!」とか。そういったものを生徒が知るのも大事なことですよね。
ちょっと話が逸れるんですが、入試が終わった1週間後くらいに入試分析のYouTube配信をしているんです。どうしてこの問題で差がついたのか、分析しながら動画を作るんですが、YouMarkから簡単に統計資料(平均正答率)が出るので、こちらも本当に助かっています。
デジタル採点は負担軽減のために導入しましたが、こういった統計資料が出てくるのも大きなメリットだと感じています。
定期テストに限らず、日々の小テストや実力テストなどでもご使用いただいているようです。
清水校長 実はどれくらい使っているかは把握していないんです。
教科の判断にお任せで、「自由に使っていいです」とだけお知らせしています。
論述問題、数学の証明問題、生物の作図問題など、デジタル採点をするにはハードルが高いと思われがちな記述問題も、YouMark Personalで採点していただいているようです。
清水校長 YouMark Personalでは部分点をつけることができるし、採点画面上にコメントを残すこともできるし、「こうやればいいんだ」というのが分かったので、記述問題の採点には向かないとはまったく思わないです。
iPadにペンデバイスで文字を書くのは少しやりづらいと感じましたが、その代わりにタイピングしたテキストでメモを残すようにしたら解決しました。具体的にポジティブな意見を聞いたということではないのですが、使う人が徐々に増えていったところを見ると、負担が軽減されることを期待している方が多いんだろうなと感じています。「やめた方がいいのでは」という意見は聞いたことがないですしね。

使ってみて初めて分かる便利機能
文字が薄い答案への対応についてご相談いただきましたが、YouMark・YouMark Personalでは、採点画面上で表示の濃淡調整ができます。
清水校長 文字の薄い答案が出てきたときの選択肢は2つで、なんとなくで採点するか、答案現物を見に行くかしかないんです。場合によっては再スキャンしていたので、余計な手間がかかってしまっていたんですよね。
この濃度ボタンで調整して採点すれば、先生方の負担もだいぶ軽くなると思います。早く知りたかったですね。
でも、使う前に説明を聞いていても「ああ、そうなの」って流してしまうだろうから。使ってみて初めて「確かにそんな機能があると便利だね」って気付くことができると思うんです。
今後、YouMarkに期待することはありますか?
清水校長 デジタル採点は、ペーパーテストを実施してスキャンして……となるわけですが、スキャンも結構大変な作業なので、ゆくゆくはテストまわりの全部がデジタルに置き換わらないかなと思うことはあります。CBTのようなイメージです。そうなっても作問に対する制約はほとんどないでしょうしね。
あとは、記号問題以外も自動で採点されるようになったらいいなと個人的には思っています。採点業務はシステムに任せて、先生は何をすべきか、生徒の指導にどれだけ力を入れられるかを考えられるようになったらいいなと期待しています。
YouMarkやYouMark Personalをまだ導入されていない学校さんに対して、何かおすすめのポイントがあれば是非教えてください。
清水校長 先生方の負担は日々増大している状況だと思います。システムを導入することによって負担が軽減されて、その結果、先生が注力したいことに時間を割けるようになるはずなので、導入を検討していただきたいです。
あとは、副産物的なものかもしれませんが、統計データ(平均正答率・クラス別集計表)が細かく出てくるのがやっぱり大きいですよね。生徒を見る、教育を展開する上で大切なものになるから、そういったデータが簡単に取得できるという観点からも、僕はYouMark Personalがいいんじゃないかなと思っております。

学校法人城北学園 城北中学校・高等学校
東京都板橋区にある中高一貫の私立男子校。 学校の校訓である「着実・勤勉・自主」を日々の規範に位置付け、教育目標である「人間形成と大学進学」の達成に努め、高い進学実績を誇る進学校である。 伝統校でありながら、近年は教育のICT化を意欲的に進めていることでも注目を集めている。